厭世日誌

だなはのいせんじはみしなかみしるく

夜のふち手を合わせぼくら泣いたりなんかもせず

あなたのことがわからない。煙が目に染みる。雨音に焦燥感が加速する。何もわからない。どこへいけばいいのか、ここにいてもいいのかも、何も。あなたのことがわからないと言いながら、本当にわからないのは自分のことなのかもしれない。眠ろうとすると、声に邪魔をされて眠れない。酷い幻聴に苛まれ、眠りが浅いまま、朝を迎える。朝が来るのが怖い。明日も明後日も、あなたがこのままだったらどうしよう、と、怯えながら眠るのは、なんて、惨めなのだろう。私に興味のないあなたが怖い。私がおかしいのかもしれないね。私の気が狂っているだけなのかもしれないね。入院しなくちゃならないのは、私の方なんだろう。本当に?私は誰よりも正気だよ。私は、私だけが嘘じゃないと思っているのに。私は、いつだって嘘も吐かずに生きてきたのに。海を泳ぐさかなと同じくらいに正直に。私はどうしてここで生きているのだろう。いつか、何か変わるのか。帰りたい、帰る場所がない。空気をうまく吸い込めない。どこで変わってしまったのだろう。夜のふちはどこ?見つからないように隠したよ。見つけてしまったその時は、私のことを助けてね。宇宙。大仏?ほら銀の底にぼやける。天使が。息をひそめて立ってるね。助けてね。