厭世日誌

だなはのいせんじはみしなかみしるく

言葉のもどかしさ

 
閉じる日が続いていく。嫌われることが怖くて泣く。掌の隙間から砂が零れ落ちて行くように何もが無くなっていくのを感じている。ごめんなさい、嫌わらないで、と思っても伝えられるのは「ごめんね」だけだ。首筋に痕を付ければ相手を所有物にして仕舞った様で、また少し、申し訳ない気持ちに成った。
 
「好き」という言葉はよくわからない。今まで伝えてこなかったこの言葉を今の恋人には手渡している。「好き」には色々な意味を込めていて、どうしても、伝えようとすると長くなる為に「好き」という言葉を使ってしまう。抱きしめたい、一緒にいてくれてありがとう、暖かいです、心地よいです、全てを受け入れたい、そんな気持ち達を込めてどうにか振り絞って伝える。
伝えたいことは山ほどあるのに言葉にするのは難しく、もどかしい。朝が来た。